フォトアルバム

お天気時計

REBORN!カードゲーム

« 西城秀樹ROCKトリビュート~Gacktさんの『ローラ』~ | メイン | 小室哲哉の栄枯盛衰 »

2008年11月 3日 (月)

『双調平家物語』が毎日出版文化賞を受賞!

橋本治さんの『双調平家物語』が毎日出版文化賞を受賞しました!

わ~い。ぱちぱちcrown

橋本フリークとして、自分のことのように嬉しいです。

だって橋本さんって、あんなにすごい人なのに、世間的な評価は正直そんなに高くないじゃないですか。この間内田樹さんも「批評家に無視される橋本治」みたいなことを書いていらしたし。

『源氏物語』千年紀で色々イベントが組まれたり、瀬戸内寂聴版『源氏物語』が山積みになっている中、橋本さんの名著『窯変源氏物語』を書店で見かけることはほとんどありません。

なんでやangry

『窯変』出版時、書評が出なくて、「いいもん、俺、嫌われてるから」と言ったという話は、『最後の「ああでもこうでもなく」』にも出て来ました。

たこつぼ化した専門家の皆さまには、ジャンルを超えて縦横無尽に展開される橋本さんの「知」が理解できないのでしょう、きっと。

『三島由紀夫とは何者だったのか』で小林秀雄賞を受賞し、その「小林秀雄」についての本、『小林秀雄の恵み』の方も、今回の受賞候補に挙げられていたそうです。

評論的な著作に比べて、これまで特に小説の評価が低かったと思うので、最終的に『双調平家物語』が受賞して、より一層良かったな、と感じます。

まぁ、この受賞で『双調平家物語』が書店に山積みになるかどうかはちょっとわからないんですけど。

なんせ、全15巻。

刊行に合わせて1巻ずつ買っていたからこそ手元に置けたけど、いきなり「全15巻」を買うのは大変ですよね……。

しかも漢字多いんだ、この本(笑)。

いちいち「これって誰だっけ?」と、最初の方についてる系図と、しおりに書いてある人物紹介を参照しながら読み進まなきゃいけないし。

平安貴族の名前なんて、藤原だけでもいっぱいいるからねぇ。

しかも本名じゃなく役職名だけで出てくることも多々あったりして。

今の左大臣って誰? 前(さき)の太政大臣は? みたいな。

楊貴妃や安禄山の出てくる中国の「佞臣・奸臣」の話で始まる第1巻。やっと日本の話になったと思ったら蘇我馬子とかで、「え? 平家物語でしょ?」と思わされる予想外の幕開き。

でもそこからたどる日本の歴史は、教科書なんかではまったく知ることのできない、すごいドラマ。

律令制施行から院政に至るまでの長い歴史を踏まえなければ、なぜ清盛が権力を得られ、そしてその権力が無意味になるのかがわからない。

「日本」のことなんか、何にも知らなかったんだな、って思うし、そもそも日本にはまだ、「まともな国家」が存在していないのかもしれないと思わされる。

「一体、この国に国はあるのか?」

『最後の「ああでもなくこうでもなく」』の中に、『双調平家物語』のテーマというのが書かれてある。

曰く、「この国に、国はあっても国はない――だから、政治の施策の代わりに、権力闘争が延々とあって、それが“政治”だと思われている」

そして、原稿用紙8400枚にもなるこの大部の書を書いて、まだ、

「私としては『これはまだ背景の提出』くらいで、やるんだったら、『改めてここに登場した人間達を主役にして小説を書く』くらいのことをしなくちゃいけない」

ともおっしゃっている。

やっぱりすごいなぁ、橋本さんは。

是非是非、そのような小説も読ませていただきたいと思う。

 

受賞、本当におめでとうございます。

【関連記事】

『双調平家物語』最終巻/橋本治

『橋本治の恵み』/ひゅうが霄

続・『橋本治の恵み』

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.eonet.jp/t/trackback/347003/16938472

『双調平家物語』が毎日出版文化賞を受賞!を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

blog内検索

  • powered by Google
Twitter

My Instagram Photo

eoblogのみなさま

Dears

ひゅうがの本棚

  • 坂口 安吾: 坂口安吾全集〈11〉 (ちくま文庫)
    『不連続殺人事件』『復員殺人事件』を同時に読みたい方はこちらをどうぞ!『安吾捕物帖』以外の推理モノがほぼ網羅されています。長編より短編の方が好みでした。特に『南京虫殺人事件』がお気に入り♪
  • トーマス・マン: トーニオ・クレーガー 他一篇 (河出文庫)

    トーマス・マン: トーニオ・クレーガー 他一篇 (河出文庫)
    「永遠の青春小説」として有名な本書。確かにとてもくすぐったかった。原書の美しい挿絵が再現され、新訳で読みやすい本書。初めてトーマス・マンを手に取る方にはお勧めです。

  • レイ・ブラッドベリ: ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

    レイ・ブラッドベリ: ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)
    『霜と炎』は面白かったけど、全体としてはそんなに好きな感じではありませんでした。もっと幼い頃に読まなきゃダメな作品集な気がします(^^;)

  • 坂口 安吾: 日本探偵小説全集 (10) (創元推理文庫 (400‐10))

    坂口 安吾: 日本探偵小説全集 (10) (創元推理文庫 (400‐10))
    安吾の自腹による懸賞金がかかった作品『不連続殺人事件』。読者を挑発する安吾の「附記」が興味深かったです。作品としては短編の『選挙殺人事件』『心霊殺人事件』の方が好み。『明治開化安吾捕物帖』も9編が収められています。

  • マリオ・リヴィオ: 黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語  (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

    マリオ・リヴィオ: 黄金比はすべてを美しくするか?―最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語  (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
    ちょっとずつしか読み進められなかったせいか、頭に入らなかった感じ(^^;) フィボナッチ数の不思議、そして最後のフラクタル図形の話が面白かった。

  • : SPEC/BoosterBook

    SPEC/BoosterBook
    公開3日目にして劇場版のパンフレットが売り切れていたので、こちらを買ってみました。監督さんのインタビュー等面白いのですが、「詳しくは映画のパンフレットで」となってるところが数カ所あって大変哀しい。ううう。でも「翔」の出演者北村一輝さん・谷村美月さんのインタビューはこれでしか読めません(たぶん)。SPECファンとしては買って損はありませんでした♪

  • 天野 明: 家庭教師ヒットマンREBORN! 38

    天野 明: 家庭教師ヒットマンREBORN! 38
    白蘭ちゃんの意外な健気さにホロリとさせられた巻。ちびフランもいいわ~♪ アルコバレーノ達が次々に「元の姿」を顕すけど、それよりやっぱり白蘭ちゃんに心惹かれた1冊でした。

  • 橋本 治: 双調平家物語 (9)

    橋本 治: 双調平家物語 (9)
    死してなお無惨な頼長。そして「真の勝者」となったはずの信西もまた、その勝利を長くは手にしていられない。「学問」を結局は重要視しない世の中、決して平安貴族の話だけではないような気がする。

  • 北条 司: エンジェル・ハート2ndシーズン 3

    北条 司: エンジェル・ハート2ndシーズン 3
    いつもながら鼻の奥がツンとなるお話。「家族」にこだわったストーリー、いいなぁ。本当に大人のための素敵なマンガ(エロい意味じゃないよ!) ケータイで久々に香の声も聞けた。しかしカメ子の真意は本当にあれだけだったの?

  • モーリス=ルブラン: 奇岩城 (アルセーヌ・ルパン全集 (4))

    モーリス=ルブラン: 奇岩城 (アルセーヌ・ルパン全集 (4))
    集英社文庫でも読みましたが、全集版でもう一度。やっぱりこちらの方が読みやすい訳のような。でも何ですね、これ、最後がちょっと悲劇すぎますよね。ルパン物の代表作ですけど、全集全部読み終わってみるとあまり好きな作品ではないです。

  • はすまる: すもうねこ もふり寄り

    はすまる: すもうねこ もふり寄り
    ねこの関取「すもうねこ」、堂々書籍化第2弾♪ 昨年春場所が中止になったことや技量審査場所など、相撲界のリアルな今を織り込みつつ、ほっこり和ませてくれます。相撲なんて興味ない、って人にこそ読んでいただきたいです。

  • 蛇蔵: 日本人の知らない日本語3  祝!卒業編

    蛇蔵: 日本人の知らない日本語3  祝!卒業編
    3冊目ともなればマンネリで飽きちゃうか、と思いきやこれがやっぱり面白い。お馴染みの学生さん達が卒業してしまうの寂しいわぁ。「言葉」だけではなくそれぞれの「文化」の違いが面白いです。